ーーー「もぉやだぁー!」
昼休み、屋上で空に向かって叫ぶ。
ヒナコはまあまあと言ってるけど、そのヒナコの視線はケータイだ。
…彼氏とメールか!
「だってさ、女だったの?だよ!?もう、ショックだよ…」
「あんなの軽い気持ちで言ったんだから、気にすることないって」
「気にする!」
だって、クラスメートなら、笑い飛ばすことができるけど、相手は淳平。あたしの好きな人。
「幸、あんまおっきい声出すと、向こうに聞こえるよ?」
ヒナコの言ってる向こうは、三年の校舎の屋上のこと。
あたし達は二年の屋上。
その二つの校舎の間に、中庭がある。
……アイツ、いるかな?
いつも淳平は、中庭で仲良い男子達といるか、なぜか三年の屋上に一人でいる。
それに気づいたのは、半年くらい前かな?
まあ、あっちは気づいてないっぽいけど。

