キイィ、とドアを開ける。
すぐさま左を見る。
……いた。
あたしは、ギュッと目を閉じて、深呼吸をする。
……よし
行け、飛べ、飛べーーーーーっ!!!!
砲丸投げをする勢いで紙ヒコーキを飛ばす。
その後あたしはすぐさま屋上を出る。
「はぁ…はぁ…」
心拍数が。顔が。息が。
全てが淳平のせいで起きている現象。
「お。藤森。これ頼むな。」
「はい…」
重たい教材を運ぶ。
向こうに、届いたのかな?
見ないで出てっちゃったし。
とりあえず、淳平より先に教室に戻んなきゃ。
駆け足で教材を抱えながら教室に入る。
「怪力女だろお前」
重田が笑いながら言って、みんなも大爆笑する。
「う、うるさいなーっ!もー!」
恥ずかしくなって、教卓にドンッと置いてからヒナコの所にそそくさと向かう。
「…渡した?」
「うん…」
「よくやったー!!!」
ギュウッと抱きしめてくれる。
あたしもホッとして抱きしめかえす。