「具合が悪いんだろうと思ってほっといたら、いびきかきはじめたからな。寝ていると見なしたぞ。」
「え……」
「罰として、昼休み英語の教材を運びなさい。」
「えぇーー!」
クラス中で起こる笑いも。
後ろから聞こえてくるバーカという声も。
全てが夢であってほしいと思った。
「ご飯を食べたらすぐにだからな。」
「……はい」
そんなこんなで、昼休み……
教室でパンを頬張り、教材を取りに資料室に行こうとした。
「幸!いつ行くの!?」
どこかで聞いたことあるキャッチフレーズ。
……もう、ヒナコは。
「当たり前でしょ!今だよっ!!!」
そして屋上に向かって走り出した。
ーーー淳平が、向こう側にいますように。
思いが届きますように。
あの二文字を、あたしの重い愛を。
受け止めてくれますようにーーーーー