「アンタ、本っ当ちっちゃー!普通の男子なら、もーっと見上げるもん」
「なんだよ」
淳平とは、中学の頃からの知り合いで、中学三年の時に初めて同じクラスになった。
三年の時は、淳平は明るく優しく、
『藤森おはよ!』
とか言ってたのに、今は
『幸子ぉ~』
だよ!?
あの頃の淳平がよかった…。
それでもって、淳平は背があまり大きくはない。
中学の頃は背の順いつも前の方だったし、あたしが見下ろしてた。
でも、高校でアイツもちょっとずつ伸びて、今は160と162で、淳平のが2センチ勝ってる。
「お前俺よりちっちぇーくせに、何言ってんだよ!」
「女子はいーんです!」
もう言い合いは止まらない。
クラスのみんなは呆れて何も口を出さない。
「え?幸子お前女だったの?知らなかったー」
バカにしたようにケラケラと言ってきた淳平。
でも、その一言で、あたしの心は凍りついた……。

