「………っあぁーー!寒い!」
屋上でこんな声を張り上げているのはあたし。
「ちょっと静かにしてよー。」
マスクを付け始めたヒナコが、地べたに座る。
「つめたーい。クッション持ってこようかな」
最近妙に色気づいたヒナコ。
…どうせ、彼氏となんかあったんだろうな。
まあ、あえて聞かないけど。
あたしもヒナコの隣に腰を下ろす。
「ねえ、もう文化祭だよ?どうするの?」
「どうするって…」
あと数日で文化祭。
イベント大好きな淳平は、もちろん文化祭委員だ。
女子は、小夜ちゃん…。
あの時、立候補しておけばな~……
「授業中も重田とばっか話してるし」
「それはぁー……」
……まあ、その通りだから言い訳が見つからないんですけどね。