「とりあえずくじ引きにするー」
先生お手製のくじが教卓に置かれる。
みんなが一斉にそこに向かう。
早い者勝ちとか、残り物には福があるとか、そういうこと聞くけど、どっちもどっちだと思う。
あたしはめんどくさいから、とりあえずヒナコの所へ。
「近くになれるといいね?」
「…うん」
淳平をチラッと見ると、教卓の所にはいなくて、仲の良い男子と話してるだけ。
……残り物派か。
なんて思いながら、ヒナコと列に並ぶ。
そしてあたしが引いたのは、14番。
黒板に表示されている席を見ると、廊下側の前から二番目。
……淳平が座ってた席だ。
「あたし一番前だよ~」
真ん中の列の一番前になったヒナコ。
遠くもないし、近くもない距離だなぁ……
「あ、……大関引くよ?」
ドキッとしながら淳平をみる。
軽く箱に手を入れて、残り少ないであろう紙を選んでる。
「幸、目が……」
淳平を追いすぎてて、ヒナコに笑われてしまう。
きっとクラスのみんなも、あたしの気持ち知ってるよね。
あ、小夜ちゃんは分からないけど。

