「見てこれ……」
ヒナコが指差す。
フェンス内ギリギリの所に落っこちているのは、ついさっきあたしが投げた紙ヒコーキ。
もしかして、淳平が?
「……返却されちゃった」
しょんぼりと眉を下げてヒナコに笑いかける。
そしてトボトボ歩き、紙ヒコーキを拾う。
「…内容おかしかったのかな?」
もう一度確認するために開く。
ヒナコものぞき込んでくる。
……まあ、いっか!
「ねえ、これは?」
ヒナコがある一文を指差す。
“また前みたく話しませんか?”
その一文に、赤ペンで丸がついてる。
え!?
思わずヒナコの顔を見る。
「っきゃーーー!!」
二人で抱き合う。
この赤丸は、良いよってことで、いいんだよね?

