「と、届いた……」



思いっきり投げてから、顔を上げると、見事に青い紙ヒコーキは、隣の校舎のフェンス内に。


まだふわふわ、くねくね飛んでいる。


淳平は寝てて気づいていない。
……当たれ!てか、起きて淳平っ!



あたしってバレないように、視界の入らない、かつここから様子が伺える所に隠れながら様子見。



「あれ、起きたんじゃない?」



ヒナコの言うとおり、淳平はキョロキョロしている。

しかもその片手にはあたしがさっきまで持っていた紙ヒコーキ。


もしかして、誰か探してるみたいな?


もしかして、中身よんでないとか?



うわ、そこまで考えてなかった!


中身に気づかなかったら、意味ないよ~。


せっかくあそこまで飛べたのに……



「あ、紙ヒコーキ開いたよ!」



分解してる。

……読むの?


あたしの心拍数は今ヤバくて、なんども深呼吸をする。

その横でヒナコは淳平の観察。