「また怒られんぞ？」
「…写させて～」
神頼みするようにすがる目で重田を見ても、
「やだよー」
……ちっ。
「英語一時間目だよ？今からやろ！」
ヒナコも手伝ってくれる。
でも、多すぎだよー……。
ーー結局終わらず、授業中に先生が思い出したようにあたし達をみる。
「二人とも、やったか？」
「俺は、やりましたー」
は、の部分を強調して言ってくる。
…このヤロー。
「藤森は？」
「…忘れました」
「はあ？」
みんなからの視線も浴びる。
…いつもなら、ここで淳平のバカにしたような視線も浴びるのに、今日の淳平はずっと前を見ている。
どうして？
なんでよ？
こっちみて？
一度も合わない自分の瞳が、かわいそうに思えてきてしまった。
