席に戻ると、ヒナコが目で訴えてくる。
あたしは無理無理、と首を横に振る。
「…てかさ、何があったの?」
何があったのか知らないのに、よくあんな怖い顔であたしのこと見れたね…。
「実はーー」
めちゃくちゃ小声で話すと、ヒナコは眉をひそめていた。
「はあ?それは幸なんも悪くなー……」
慌てて口を押さえる。
声でかいっつーの!
「向こうから来るまで、ほっとこ。」
あれ?ヒナコさっきと言ってること違うし…
ヒナコはもう気にせずケータイをいじってる。
…彼氏からメール来て機嫌よくなったか。
「はぁー…」
「なあ、英語の課題やった?」
「わっ」
おはよう、の挨拶もなく急に話しかけてきた重田。
……あっ!!
「忘れた…」
「俺やったー」
どや顔してきた。
…でも、本当にやばい。

