「話しなさいよ?」


「はい…」



ヒナコはあたしの前の席に座って、何もしゃべらずただただ黙って窓の外を見てる。



「あ。来た」


「えっ」



それを見てたの!?

てか、心の準備が!



「と、トイレ」



駆け足でトイレに行く。



はぁー……。

どうしよう。もう、あの後連絡してこないんだもん。


めんどくさい女とか思われたかも。



とりあえず鏡で髪型チェックする。


……にしてもあたし、すっぴんて。

高二ですっぴんて。


ちょっとやばいかな?



教室に戻ると、確かに男子の輪の中にアイツはいた。


チラ、と見るけど、目もあわないし、いつものようにバカにもしてこない。


サーッと血の気が引く。