いや、走り回ってるだけならまだいい。
でも、床にはたくさんの紙ヒコーキが落ちていた。
「ぶーん」
「きゃははっ」
…呆れた。
もう、疲れてるのに…。
あたしは容赦なく踏み潰して歩く。
「ひどいよ幸姉ぇ~」
「うぇ~」
もう、うるさいなー。
泣きたいのはこっちだし!
「幸おかえり」
「大兄ちゃん!これどういうこと?」
地元の大学に進学した大学二年生大吉(ひろよし)兄ちゃん。
お兄ちゃんは頭をポリポリかきながら、
「笑が今日学校で習ってきたらしいよ。」
まったく…学ぶのは良いけど、こういうのはやめてほしいものだ。
未だにギャーギャー泣いてる二人の頭を撫でてから、紙ヒコーキを拾うあたし。
暫くして、二人も拾い始める。

