重かったけど、みんな一人一人の仕事してたから、あたしも頑張って運んでたんだけど、やっぱり重くて、誰かに手伝ってもらおうとしたときに、何も言わずに持ってくれた。
その時にはもうあたし達は口喧嘩するような仲だったのに、淳平は
『こういうのは男がやんだよ』
って言われて、初めて淳平を男として意識したんだ。
そこからあたしの恋は始まったんだと…思う。
「顔赤いぞ?」
「へ?」
重田がニヤニヤしながら聞いてくる。
「何思い出したんだよ~」
「お、思い出してなんかないし!」
ムキになって言い返していると、肩をポン、とたたかれた。