「本当、わかりやすいよな」


「そんなに?」



クスクス笑いながら重田も淳平を見る。



「こんなに見られてんのに気付かないアイツも鈍感だけど」


「…気付かない方が嬉しいよ」



ある日の授業中、突然重田に言われた一言。



『お前さ、大関のこと好きだろ』



ほぼ確信したように言われたし、あたしは顔を真っ赤にしてたから、即バレた。


でも、重田は他の人に言いふらしたりしないから、いい奴なのかもしれない。



「てかさ、アイツのどこがいいの?」


「え?」


「好きになったきっかけ、とか」



きっかけ…かあ。


確かあれは、高一の夏…かな?いや、秋?

文化祭が近づいてて、みんな準備してたんだ。


あたしは使う大道具とか、工具を運んでて