お嬢様になりました。《番外編》

「アンジェリカ!!」



やっぱり聞き間違いではなくて、後ろを振り向くと、パーティーで会った男性が立っていた。


それも瞳をキラッキラッ輝かせて……。


何でうちの学校の制服着てんの?



「やっぱり運命だ!!」



走り寄ってきた男性はそう言うと、勢いよく私の体を抱き上げた。


思っていたよりも逞しい体つきに、思わず顔が熱くなってくる。



「あ、あのっ、ちょっと……!!」



みんな見てる!!


それに何だか後ろからの視線が痛い気がする……。



「気安く人の女に触ってんじゃねぇよ」



怒りの詰まった低い声が廊下に響き、サーッと他の生徒たちが引いていった。


こんなところで喧嘩おっ始めないでよねと思いつつも、隆輝の言葉が嬉しくてついついにやけてしまいそうだった。



「関係ないだろ」

「あ? 関係大有りだろうが」



お願いだから隆輝をこれ以上刺激しないで……。



「カルロ、葵から離れて。 でないと、俺も怒るよ」

「レイ!! 久しぶり!! 会えて嬉しいよ」



知り合い!?


そうじゃなくて!!


この人この状況で爽やかに挨拶って呑気過ぎでしょ!!