「なんか嬉しいなぁ。元気がでた気がするよ。」
「そうですか。それは良かったです。」
「フルーツたべる?昨日母さんが置いてってくれたんだ。」
「え、じゃあ遠慮なく。」
私はそういい、りんごを取った。
「先輩も食べますか?」
「うん。食べる。」
私は食べやすい大きさに切り、二人で食べた。
「ごちそうさまでした。あ!そうそう、お花持ってきたんです。花瓶にいれていいですか?」
「あ、うんっ。」
「じゃあ、変えてきますね。」
私は花瓶と花をもって病室をでた。
入れ替えて、病室の前へ来ると、
「先輩っ!大丈夫ですかっ!?」
という、女の人の声が聞こえてきた。
もしかして、先輩の彼女?
「うん、大丈夫。」
盗み聞きなんてしたくないけど、足が動かない。
「先輩っ、私がお見舞いに来たの、一番ですか?」
「え、…う、うん、一番…」
え?どうして?少なくとも私の後に来たんだから一番ではないはずじゃ…
私が来たのをなかった事にさせられてるんだ…
