バドミントン部は男女混合でやるせいか、
男女との仲がいい。

琴海も、バドミントン部の
試合である男子とペアになり、

次第にお互いを意識するようになり、
付き合うといった形になったそうだ。

その相手は紛れもなく
坂木 篤人(サカキ アツト)という人だ。

私達とは別の、隣のクラスにいる。

私は彼がどんな人物なのかはわからないが、
琴海曰く、クールで大人っぽくて、だけど
優しくて頼りがいのある人、らしい。

「うん、わかった。直接向かうね」

そう言って、ガチャンと電話を切る。

「じゃ、行ってくるね」

おばあちゃんにいってきますを言い、
表に出る。

相変わらず外は暑い。

こんな暑い所にいたら
体の芯まで溶けてしまいそうだ。

琴海の家の近くの街角まで行くと
もうすでに琴海が今か、今かと
私を待ち構えていた。

「琴海」

彼女の名前を呼び、
汗だくのグチャグチャな顔で笑顔を浮かべる。