風呂に上がってから、私は
居間に顔を出した。
「おばあちゃん、ちゃぶ台に
大福置いてあるから食べてね。
なんか、内野くんがサービスって
箱詰めして沢山くれたけど」
「今、食べようとしてたんだよ。
美波、一緒に食べよう」
「うん」
私は首に巻いたタオルで
ガシガシと頭を拭いた。
それから、先程買ってきた
大福に手を伸ばす。
「おや、これは…」
おばあちゃんが、小さなメモを手にして
まじまじと見つめている。
「美波宛に書いてあるよ」
「ん?」
私はおばあちゃんから
メモを受け取り、それを読んだ。
「明日、10時に駅前のコンビニで。
あと、袋に2つ苺大福、入れといたから」
と、書いてあった。
「おばあちゃん、明日
10時から出掛けるから」
「はいはい」
おばあちゃんは大福を口にしながら
優しく微笑んだ。