ムクッと起き上がり、
私はフラフラしながら
淡々と階段を降りる。

「今日はスパゲッティだからね」

おばあちゃんの手が
スッと伸びて器を私の元に
運んできた。

手元にはミートソースの
スパゲッティが湯気を立てている。

黙々とスパゲッティを食べ、
水を飲んで一息ついた。

「ごちそうさま」

そう言って席を立ったとき、
ガタリ、と椅子が少しずれた。

それを見てみぬふりをして
そのまま私は部屋の奥に消えていった。

チラッと後ろを振り返れば
おばあちゃんがずれた椅子を直していた。

そしてまた、私は目を戻して
階段を上った。

部屋に戻り、テーブルに目をやると
放り出された紙袋が。

それを手に取り、紙袋から
ノートを取り出す。

机の引き出しを開けて
この前買っておいた
ラッピング用紙を出した。

いかにも女の子らしい
色とりどりの水玉とハートが
ちりばめられたラッピング用紙。

そして、丁寧にノートを
それに包んだ。