あるときあの時の少年が男の前にやってきて、金を貸してくれと言ってきた。

あのとき彼が殺さなかったから今生きてるわけだし、だから彼のことを考えてやろうと思った。

都合20万だった男にとってその金くらいは用意できるかねだった、白い紙テープで巻いた札

束を2つ手渡した。

「あの時殺さないでおいてくれてありがとう・・・・・・・・・・・・・」

そう男は涙ぐんだ、まだ生きてる生きてる・・・・・・・・・・寿命までは生きられそうな

予感もした、救われたんだ今のレコード会社に。

男はまだまだ勢いを落とすことなく作る曲作る曲がヒットチャートを駆け上った。

気持ちがいいってこういうことだ、男の生活は次第に派手になって行った・・

乗らなかったオープンカーに乗って、パーテイには出席して・・。

昔のあの途方にくれた男はもうそこにはいなかった、顔には自信が増し目はぎらぎら感があっ

た、「次もお願いします」次第に男は横暴になって行った・・・・

「変ったわ」あなた・・・・・・・・・・・・、そう栞はつぶやいた彼女の黒い髪からはしっ

とりした雨のにおいがいつもしていた。

金が男を変えたのだ、金というものが男を変えたのだ。

徐々に横暴になって行った・・・・・・・・・・・・・・・・・・