下駄箱に着いて、お姫様抱っこから地面に降りた。
靴を履いて外に出る。
「乗れ。」
自転車の後ろを指さした。
これって、二人乗りのお誘い?
私、二人乗りなんてしたことないよー!
すこし怖いけど、乗ってみた。
「初めて、二人乗りするから怖いのでゆっくり安全運転でお願いします。」
田中くんに言った。
「しっかりつかまっとけよ。」
私は、田中くんの腰に腕を回してしっかりつかまった。
自転車が走りだし、いつも通ってる道が違うふうに見えた。
好きな人と一緒。
二人乗り。
思ったよりも怖くなくて安心した。
田中くんの背中に頭を預けた。
やっぱり、いい匂い。
田中くんのぬくもりが心地いい。