「あ、あの、高田くん!」


緊張しながら、彼の名前を口にすると、



高田くんは振り返って、

「なに?」

と微笑んだ。



「あの、物理のノート、提出してないの

高田くんだけなんですが…、」



遠慮がちに、おずおずと伝えると



「あぁ、そういや、そうだったね。

今取りに行くから、教室まで着いてきてくんない?」