悪魔的に双子。

有志は励ますようにわたしの頭を軽くたたいて、にこっとした。


ちょっと口の端が引きつってるけど。


「大丈夫だよ。そんな心配することないって。ぱっと渡してぱっと戻ってくればいいんだから。」


「……うぅ」


もういっそ、忘れられた弁当の存在に気づかなかったふりでもしようか。


「いや、だめだよ。」


ぼそっとつぶやいたわたしの考えを有志は即否定した。


「さすがに中2男子が弁当なしで一日乗り切るのはきついよ。朝練もあったし。」


「わかってる」


つい拗ねた声で返してしまう。


凛太朗先輩のくせがうつったのかもしれない。


「大丈夫だよ。僕も一緒に教室の前いくし。」


「……うん」


わたしはしぶしぶうなづいた。