悪魔的に双子。

台所に戻り、テーブルの上に目をやったわたしはフリーズした。


……あれ?


そこには、中身の入った弁当袋が置いてあった。


ひそかに有志と色違いのお揃いである、
黒い弁当袋だ。


わたしはしばらくぼけっとたっていたが、恐る恐る袋の中をのぞいてため息をついた。


わたしがつめたのだから当たり前だが、中にはしっかり弁当が入っていた。


真昼が置いていったらしい。


あのにくったらしい天使の微笑みと、昨日の瞳に揺れていた怒りの光を思いだす。


弁当箱忘れるなんて……


真昼が忘れ物なんて珍しい。


しかもよりによって今日だ。


せめて昨日であってほしかった。


昨日だったら、わたしの方が真昼より先に家をでていたから、弁当の忘れ物なんて気づかなくてよかったのに。


しかし、気づいてしまった以上、しらんふりも出来ない。


わたしは盛大にため息をついた。


しょうがない、持っていくか。


そう思って、はたと動きを止めた。


……どうやって渡せばいいんだ?


地味双子の園村さんが綺麗双子の園村くんに弁当渡したって、やな感じの噂になりそうだ。


そして、その噂のわりをくうのは絶対にわたし。


顔から血の気が引くのがわかる。


どうしよう。


わたしは本気で頭を抱えた。