「おはよー」


居間に入ると、お父さんとお母さんも寝室から出てきていた。


「おはよ」


わたしの力の抜けた挨拶に、お母さんが優しい笑みで答える。


今朝もとってもきれいだ。


お父さんは今日ももやしみたいにひょろひょろっとして新聞を読んでいる。


先におりた唯流はそ知らぬ顔で朝ごはんを食べている。


それ、わたしが作ったんだけどね。


と心の中であっかんべをして、わたしも椅子に座った。


「青っ」


少したってから、真昼と有志が降りてきた。


しかし、なぜか真昼は険しい顔でわたしの名前を呼び、有志は不安げにわたしを見つめている。


「……なに?」


わたしは真昼のいつにない迫力に気圧されながら、言葉をつむいだ。


「何で、僕を起こしに来るのが有志なんだよっ」


「はっ?」


わたしはわけがわからなくて間抜けな声を返した。


何かいけなかっただろうか。


困惑するわたしをお母さんはおもしろそうに眺め、お父さんは知らんぷりをしている。


唯流は突然立ち上がって、


「なにそれっ」


と叫び出した。