毎朝、五人分のお弁当と朝ごはんを作った後、寝起きの悪い三人をそれぞれの部屋に起こしに行くのがわたしの日課だ。
一人目は比較的反応の早いお嬢さん。
二階に上がって一番手前のドアを開けると、白を基調とした少女趣味の世界が広がっている。
笑うことしか知らないぬいぐるみたちに囲まれて、お姫様は安らかな眠りの中だ。
「おはよ、唯流っ、起きてっ」
「……ん」
可愛らしい相貌を歪めて、唯流がうっすらと目を開ける。
「おはよ……青……唯流まだ眠いからあっちいって」
わたしはちっこい頭をぶん殴ってやりたい衝動を必死で抑えながら、いちご柄の毛布を引っ剥がした。
「ほら、目が冷めたんなら、さっさと下に降りてご飯食べてっ」
「はいはい……まったくもぉ、怒りっぽいなぁ。」
唯流は反動をつけて起き上がると、寝起きで爆発しているフワフワの髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
「怒りっぽくもなるよ……」
ぼやくわたしをよそに、どこ吹く風の唯流はふぁーっとあくびをする。
園村家には無職が四人もいるのに朝ご飯の支度をするのがわたしだけとは何事だっ
ナニ毎日起こしてもらって文句言って当然みたいな顔して飯食らってんだよっ
みたいなことは一緒に暮らし始めたころに一通り言ってしまった。
そして、にっこりと愛らしい笑みの先に、理不尽で恐ろしい報復が待っていた。
だから、わたしはこの腹の立つ妹に対して、毛布を引っ張がす程度のことしかできない。
一人目は比較的反応の早いお嬢さん。
二階に上がって一番手前のドアを開けると、白を基調とした少女趣味の世界が広がっている。
笑うことしか知らないぬいぐるみたちに囲まれて、お姫様は安らかな眠りの中だ。
「おはよ、唯流っ、起きてっ」
「……ん」
可愛らしい相貌を歪めて、唯流がうっすらと目を開ける。
「おはよ……青……唯流まだ眠いからあっちいって」
わたしはちっこい頭をぶん殴ってやりたい衝動を必死で抑えながら、いちご柄の毛布を引っ剥がした。
「ほら、目が冷めたんなら、さっさと下に降りてご飯食べてっ」
「はいはい……まったくもぉ、怒りっぽいなぁ。」
唯流は反動をつけて起き上がると、寝起きで爆発しているフワフワの髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
「怒りっぽくもなるよ……」
ぼやくわたしをよそに、どこ吹く風の唯流はふぁーっとあくびをする。
園村家には無職が四人もいるのに朝ご飯の支度をするのがわたしだけとは何事だっ
ナニ毎日起こしてもらって文句言って当然みたいな顔して飯食らってんだよっ
みたいなことは一緒に暮らし始めたころに一通り言ってしまった。
そして、にっこりと愛らしい笑みの先に、理不尽で恐ろしい報復が待っていた。
だから、わたしはこの腹の立つ妹に対して、毛布を引っ張がす程度のことしかできない。

