悪魔的に双子。

「あははっ、さっきの有くんとおんなじ顔してるよ。」


新田は楽しそうな笑い声を残して、


「じゃねぇ」


と手を振って去っていった。


その後ろ姿を思いっきり睨みつけて、わたしは有志を振り返った。




「……帰ろっか。」


「うん。」



有志はにっこりしてうなづいた。



わたしはチラリと真昼に目をやった。


部の子たちとふざけあって楽しそうに笑っている。


家じゃ絶対見せない無邪気な笑顔。




……ホントは新田なんて足元にも及ばないくらいゆがんでるくせに。


「ねぇ、有志。真昼はいっつも誰と帰ってるの?」


「うーん、適当に大勢とじゃない?」


「そっかぁ」


わたしたちの家は遠い。


大勢で楽しく帰った後、真昼は一人で暗くなった道を歩くのだろうか。


大抵の子には普通のことだろうけど、小学生のころから登下校はいつも有志が隣にいたわたしには、ちょっと寂しく感じる。


わたしは寂しさに免疫がないらしい。