悪魔的に双子。

「……ねぇ、ママ」


そのまま歩き続けながら、わたしはママに聞いてみたかったことを尋ねた。


「パパを裏切ったこと、後悔してる?」


少し怖くて、あえてママの顔をみようとは思えなかった。


「……分からない。曖昧な答えで悪いけど、後悔してるとははっきり言い難いし、だからといってゼロかと言われればそれは絶対違うから」


ママはたんたんと答えた。


あまりにたんたんと、天気の話でもするみたいに。


「あのね、ママ。わたし、今も少し怒ってるんだ。ママがわたしたちをあっさり手放したことも、何よりパパを悲しませたことも。」


どんな顔をしているのか見たくて、今度はママの顔をちらりと見上げた。


「ほんとは、多分有志よりわたしの方が怒ってるの。」


ママの顔には、不思議そうな悲しそうな表情が浮かんでいた。


「………怒ってるのに、なんで会いにきてくれたの?」


「……それは」


これはお父さんと有志に対する裏切りなんじゃないかという不安が、またわたしの中で頭をもたげた。


そんなことない、と自分の中でもう一度否定する。


「ママに会いたかったから」