悪魔的に双子。

昼食を食べ終わり、レストランを出たわたしたちは、行くあてがあるでもなく、歩きだした。


この寒さの中でも、人はせわしなく行き来する。


親子連れに若いカップル、一人のおじさんにおじいさんとおばあさんの夫婦。


真っ赤なコートに身をつつんでいるお姉さんに、恐ろしいことに半袖で走りまわっている男の子。


注意して見てみると面白いものだ。


人の数ほど人生があるって、考えてみるとくらくらするくらい途方もない話だ。


「どうしたの?きょろきょろして」


隣を歩くママに微笑んで言った。


「いろんな人がいるもんだなって。」


「………そうね」


ママは、小さくうなづいた。