悪魔的に双子。

お姉さんたちは、しばらく呆然としてたけど、顔を見合わせて、


「帰るか」


「うん、帰ろう」


と去っていった。


歩きながらもちらちらわたしに視線を送っているのがわかってかなり恥ずかしかった。


文句言ったと思ったらいきなり泣き出して、申し訳ないことをしてしまった。


冷静になって考えたら、唯流の性格が悪いのは紛れもない事実だし。








顧問の先生の話が終わると、有志たちは部室の中に引っこんで、しばらくすると着替えて出てきた。


「青っ」


有志は真っ先にわたしの方へ飛んできて、心配そうにわたしの顔を覗き込んだ。


「大丈夫?」


「うん、涙引っ込んだ」


「……そう?」


有志は首をかたむけながら、わたしに尋ねた。


「なんで泣いてたの?」


「うーん…ちょっと、ね」


わたしはゴニョゴニョと言葉をにごして笑った。


有志は不満げに片眉を釣り上げた。


「帰り道で話すから」


「ん」


「相変わらずラブラブだぁ、お二人さん」


からかうような声の方に顔をやると、有志と同じバスケ部の同級生がいた。


「……新田くん」


「青ちゃん、久しぶり~。廊下とかでも会わないよねぇ」


そりゃ、あんたの姿見たら避けてるからな。


とは口に出して言わず、わたしは精一杯笑顔を浮かべて


「そだね」


とうなづいた。


新田の顔に、人を小馬鹿にするような笑みが浮かぶ。


「ははっ、青ちゃん相変わらず俺のこと苦手?」


「もう、龍、青のことからかわないでよ。」


わたしの変わりに有志が頬を膨らませた。


「ごめんごめん、つい」


新田は笑って、有志の膨らんだ頬をつついた。