悪魔的に双子。

「……なんでそんな話するの?」


わたしは戸惑って目をしばたたかせた。


「わたしのママのこと……もしかして知ってるの?」


それでお母さんのお見舞いにわたしを連れて行ったり、あみこさんの話をしたり?


誰かが言ったんだろうか。


それならそれでかまいはしないけれど。


それにしたって脈絡なさすぎだけど。


「ううん、知らない。」


逆に百合人くんが不思議そうな顔をして言った。


「ただ話したかったから話したんだ。」


面白くもないのにぶっと吹きそうになって、わたしはあわてて口を押さえた。


百合人くんには、めんどくさい思考なんて不要なんだった。


すっかり忘れてた。


「百合人くん、今日はありがとね」


にこにこしながらお礼を言うと、


「?どういたしまして」


とよく分かってない応えが帰ってきた。


百合人くんって不思議だ。


誰よりいろんなもの見てるな、って思うこともあるけど、今みたいなこともしばしば。


人間なんてそんなもんかな、と悟ったようなことを考えてみたりもする。


真昼から聞いていた義理の祖母と、


今日会った百合人くんのお母さん。


まったく別の人みたいだけど、同じ人なんだから。


だからママが、わたしたちに会いたいって思ってることもホントだと思いたい。


ここ数年、まったく会ってくれなかったママも事実だけど、それ以外だってきっとあるはずなのだ。