悪魔的に双子。

いや、嘘だ。


ものすごくうらやましい。


身悶えしたいくらいだ。


わたしもママと冗談言い合える関係でいたかった。


ママのこと叱れるくらい大きくなるまで、ママと一緒にいたかった。


くそ、と口汚く悪態をつきたい気分だ。


なくしてしまった時間が口惜しい。


もう二度と戻らないと思うと、悔しくて悲しくて仕方ない。


そして同時に安堵もしていた。


やっと、見つけた。


わたし一人で、ママに会いに行って良い理由。


こじつけだろうと何だろうと、わたしには必要なものだった。


ママに会いたい。


それだけでいいのだ。


有志が会いに行かないというのなら、会いたいわたしだけ会いに行けばいいのだ。


時間は取り戻せないけど、これからもわたしたちは、たぶん生きている。


今だってママに会いたい。


たとえママが外国に行っても、会いたくなったら会いにいけばいいのだ。


やっとそう思えた。


ずっと悩んでたわりにはあっけなく。


無表情ながらも自分の母親に愛情の眼差しを向ける百合人くんに視線を向けながら、ありがと、と心の中だけでお礼を言った。