悪魔的に双子。

「ねぇ、この女の子と真昼くんと同じチームのあの小っちゃい子、おんなじ顔してない?」


隣でお姉さんたちがひそひそ言っているのが聞こえた。


どうせ声をひそめるなら聞こえないようにして欲しい。


「あー、知ってるよ。真昼唯流と違うもうひと組の二年の園村双子だよ。」


「へぇ、同じ学年で同じ苗字の双子って面白いね。」


張本人であるわたしたちには一ミリも面白くないけど。


「でも、かわいそぉ。めっちゃ比べられるでしょ、あの美形双子と。」


同情ありがとうございます。


「だよねぇ、あの二人相手じゃ勝てないよね。」


………勝とうとか思ってないです。


……


心の中で会話にツッコミを入れるのって、なんかシュールだ。


微妙な笑みを浮かべて聞き耳をたてていたら、(いやでも耳に入ってくる)会話はよからぬ方へ進んでいった。


「でもさぁ、唯流って見た目お人形さんみたいで可愛いけど、性格悪いよねぇ」


「思ったぁ、顔以外マジで真昼くんの妹なの?って感じだよね。ツンツンしてて態度でかいし。」


「こないだあたし話しかけたら思いっきりバカにしたような目で見られたんだよぉ、もうサイヤク。」


この辺で我慢の限界がきた。


「……先輩たち、唯流の何知ってそんなこと言ってるんですか」


気づいたらいきなりきれて先輩方を睨みつけていた。