この数日でうっすら感づいてはいたけど、唯流の音楽室訪問で確信してしまった。


あの公開告白は、有志に向けての告白であり、わたしへの宣言でもあったのだ。


有志は唯流のもの、と。


自分で言うのもなんだが、わたしは有志に大切にされてる。


もちろんわたしも有志が大切だ。


両親が離婚してこの方、ある意味お互いでお互いを守りあってきた。


それでも自分の方が有志のことを好きだ、と唯流は言いたいのだろう。


有志は、自分のものだと。


そしてあんなとんでも行動に唯流を駆り立てたのはおそらく新田田城の喧嘩放送だ。


唯流っていう人間は見た目に似合わず単細胞かつ単純だ。


前代未聞の放送事故に、触発されたに違いない。


……有志じゃないけど、田城と新田のバァカ、だ。