悪魔的に双子。

上手い下手は別として、バスケをしている有志はすごく生き生きとしていた。


そういえば、ちゃんと見るの久しぶりだ。


有志がバスケ部に入ると言い出した時は、少し反対もした。


わたし同様、持ち前の運動神経の悪さには定評のある有志のことだ。


練習についていけなくてつらい思いをするんじゃないかと心配だったのだ。


チームメイトの前だろうが我慢できずに泣きそうだし。


でも、どうやらわたしが過保護すぎた。


少々動きは鈍臭いけど、ちゃんとバスケしてるし、他の男子たちとも上手くやっている。


わたしは、


真昼くーん


と叫ぶお姉さま方の隣で、小さく有志の応援をした。


がんばれ、お兄ちゃん。


ゴールの前で有志にパスが回される。


有志はシュートしようと跳んだが、背の高い緑チームの子に見事にカットされてしまった。


見たことない顔だから、一年生かもしれない。


ドンマイっとチームメイトの男の子が有志の肩を叩いてかけだす。


有志が彼の背中に微かに笑いかけたのが小さく見えた。