悪魔的に双子。

そろって困惑の表情を浮かべているであろうわたしと真昼に、蓮はニヤニヤと笑いかけた。


「わたしには新聞部としての使命があるのでそろそろ行きますが……」


そこでいったん言葉を切り、ビシッとわたしたちを指さす。


「必ずやお二人さんの秘密、白状してもらいますからな」


決めゼリフを残して、あきれるわたしたちのもとを去っていくちっこい背中を目で追いながら、わたしはぽつんと呟いた。


「別に知られたってかまやしないんだけどねぇ」


わたしは、と心の中で付け加える。


もちろん面倒ごとはごめんだけど、言うほどバレるのが怖いわけではない。


むしろ嫉妬に狂うお嬢さんたちにはいい薬かもしれない。


でもあとの3人がどういった意図で隠しているのか分からないから、なんとも言い難いのだ。


「……ねぇ、青」


「ん?」


隣に目を向けると、なんとも言えない顔をした真昼がいた。


「青は、別にばれても構わないの?」


僕たちが家族だってこと


口の動きだけでそう付け加える。


「うん……べつにいいけど…そういえば真昼、前になんで言っちゃいけないんだよーって怒ってたね。別に言いたいなら言っても構わないよ」


なぜか色素の薄い瞳が驚いたように見開かれる。


「青、絶対に知られたくないっとか言ってたんじゃなかったっけ?」


今度はわたしが顔を歪ませる。


「……わたしそんなこと言ってないよ」


「っ……でも有くんが」
「ミスコンもどきはじまるって~」


「おー見に行く見に行く」


偶然耳に入った会話に、わたしたちは一瞬黙り込んだ。


「………行こ、唯流出るんだったら真昼も観るでしょ?」


「うん……」


そして中途半端なままに、わたしたちはミスコンの行われる体育館へと向かった。