悪魔的に双子。

ピンポンパンポンッ


『えー、先ほどはすみませんでした。


引き続き文化祭をお楽しみ下さい。』


先ほどの新田と田城の暴走に関する謝罪の放送だろう。


ずいぶんあっさりしている。


先生たちも可哀想に。


ほとんどの人は面白がってただろうけど、なかにはこの学校の教育はどうなっとるんだーーっと怒る人もいるだろう。


「先生たちも可哀想ですねぇ~あの放送事故の責任取らされるのは結局学校ですからね」


蓮も珍しく哀れみの言葉を述べる。


「それが先生たちの仕事でしょ?


当たり前じゃないか」


この綺麗に性格曲がったこと言ってるのはもちろん真昼。


「ああ、真昼王子、一つ教えといてあげます。」


放送が入ったおかげでわたしたちの関係を追求する使命を忘れたのだろうか、蓮はニヤニヤ笑いながら真昼に言った。


「……なに」


真昼が心底うっとおしそうに蓮を見下ろす。


「あなたの妹さん、なんちゃってミスコンに出るみたいですよ」


…唯流が?


「なんちゃってミスコンって今年企画された人気投票のこと?」


「そう。ステージで何かやってウケたもん勝ち。歌っても漫才しても可。優勝したら何か貰えるとか貰えないとか。」


「……あれに唯流が出る?」


真昼が困惑顔で尋ねた。


わたしも驚いている。


唯流はめんどくさがりで無愛想で性格は悪い。


ステージに自ら立つような人間でもなければ、誰かに指図されるタマでもない。


しかも飛び入り。


ジャンケンで負けたわけではないのだ。(この企画、見る分には面白そうだが自分で率先してやりたい奴はそういなくて、二年生のクラスから一人ずつ強制的に出されているのだ。)



「なんでまた……」


真昼と顔を合わせる。


唯流が自ら率先して行動する時。


そういう場合、99%の確率で関わっている人物がいる。


有志だ。


でも、この人気投票と有志に何の関係があるのかまるで掴めない。