早めに音楽室を出てしまい、することのないわたしはいつもの集合場所である学校の近所の団地のゴミ捨て場には行かず、バスケットコートへと向かった。
ハーフコートで練習をしているらしく、赤と緑色が二つのコートに一グループずつ入っている。
……いた、有志。
わたしから見て手前の方のコートの赤だ。
必死の顔で現在オフェンスの緑の子をマークしている。
やっぱり他の子に比べると小さいな、とぼんやり思いながら、試合を眺めた。
「見て、二年の園村くんだよ」
「ホントだ、かっこいぃ」
という声が聞こえた方を見ると、三年生のお姉さま方が四人ほど試合を見学していた。
「かっこいいっていうか、綺麗だよねぇ」
「うんうん、思ったぁ」
と黄色い声をあげている。
もちろんお姉さん方が言っているのは有志のことではない。
同じ園村でも、わたしのもう一人の弟、真昼の方だ。
真昼も有志と同じコートの赤。
持ち前の身軽さで赤チームの得点メーカーになってる。
シュートをするたびに、近くにいるチームの子とハイタッチするのに、有志とだけはしない。
何かはたから見てるとすっごく仲悪いみたいだ。
あの二人がおんなじ家に住んでて、隣同士の部屋で寝起きしてるなんて誰も思わないだろう。
ハーフコートで練習をしているらしく、赤と緑色が二つのコートに一グループずつ入っている。
……いた、有志。
わたしから見て手前の方のコートの赤だ。
必死の顔で現在オフェンスの緑の子をマークしている。
やっぱり他の子に比べると小さいな、とぼんやり思いながら、試合を眺めた。
「見て、二年の園村くんだよ」
「ホントだ、かっこいぃ」
という声が聞こえた方を見ると、三年生のお姉さま方が四人ほど試合を見学していた。
「かっこいいっていうか、綺麗だよねぇ」
「うんうん、思ったぁ」
と黄色い声をあげている。
もちろんお姉さん方が言っているのは有志のことではない。
同じ園村でも、わたしのもう一人の弟、真昼の方だ。
真昼も有志と同じコートの赤。
持ち前の身軽さで赤チームの得点メーカーになってる。
シュートをするたびに、近くにいるチームの子とハイタッチするのに、有志とだけはしない。
何かはたから見てるとすっごく仲悪いみたいだ。
あの二人がおんなじ家に住んでて、隣同士の部屋で寝起きしてるなんて誰も思わないだろう。

