「なぁに、わたしが百合人くんと仲良いから、やきもちやいてるの?」


「なっ……」


少しおかしくなって、からかうように言うと、真昼はなぜかカタカタと震えだした。


怒りのあまりか、瞳が少し潤んでいる。


「そんなわけ、ないよ!青なんて、百合人でもリンタロ先輩でも有くんでも、好きなやつと仲良くすればいい」


気の強いことを言いながらも、本格的に涙をぽろぽろ零しだした真昼に、わたしはさすがに慌てた。


でもどうするべきか分からない。


幼稚園児を泣かせた小学生のような心境だ。


「ごめん、ごめんって、ねぇ、もぉ、泣き止んでよ。子どもじゃないでしょ?てか、泣くような要素なかったじゃない」


「うるさいっ、ほっといて」


涙の止め方がわからないらしい真昼はわたしにむかってハエを追い払うような仕草をした。


わたしはため息をついて、真昼から少し離れたところに座った。


「今年は……わたしもあんたも、よく涙が出る年だよね」