悪魔的に双子。

「俺、夏休みは時々ここのお手伝いしてるんだ。」


真昼との間で空気をバチバチさせながら、凛太朗先輩はやたらわたしにニコニコ笑って言った。


「へぇ、えらいですね」


わたしはもはや『散らかっている』というレベルを超えている部屋を見渡して、本当に感心した。


かろうじて椅子に座るスペースはあったが、今にも本の山に飲み込まれそうな恐怖感がある。


「こいつが手伝いにくるのは小遣い稼ぎだよ」


オジサンが口の端をつりあげてのんびりと笑う。


「俺がこないと困るくせに。片付けられない男だから」


凛太朗先輩が軽い調子で返すと、オジサンの目元に優しげなシワが寄った。