悪魔的に双子。

渡り廊下に行く途中、真昼のいる二組の前を通ると、真昼が他の男子たちとじゃれあって楽しそうに笑っていた。


……うちじゃあんな風に笑わないのに。


「おっ、園村真昼だ。」


と蓮も反応する。


そして真昼を見た有志の微妙な表情の変化に気づいたらしく、またもや顔を輝かせた。


「何だ、有志くんっ!もしかして同じ園村くんとして対抗心がおありだとかっ」


有志は顔を真っ赤にして、


「そ、そんなことないっ」


と珍しく語調を荒げた。


蓮がにやっと笑う。


「あら、珍しく怒鳴った。さては図星かな?」


有志はますます頬を赤らめてブンブン首をふる。


「違うもんっ」


有志の様子に見兼ねたらしい田城が、


「違うと思うぞ、蓮ちゃん、第一対抗したって勝ち目ゼロじゃないか」


とフォローになってないフォローをした。


真実なのが痛い。


「ふむ、ではあの自分とはタイプの違う清純っぽさに生理的な嫌悪を覚えるとか?」


……清純?真昼が清純?


思わずぶっと吹きそうになって慌てて口を抑えた。


有志の口元も、笑いを堪えているらしくピクピク痙攣している。


「もう、いいじゃない。」


わたしはぐいっと蓮の腕を引っ張った。


一瞬、窓全開の二組の中にいる真昼と目があった気がしたが、そんな不吉な、とブンブん首を振った。


有志の表情が妙だったのは、明日からあれを自分が起こしに行かなきゃいけないのかぁと、胃に痛みを覚えたからだろう。


わたしまで胃が痛くなってはたまらない。