まさは…トイレに行った。
私は部屋でまさを待っていた。
まさがトイレに行ったのを確認して、隙をみて、お酒に弱くよれよれになった、まさのお母さんが、突然泣き崩れた。
お母さんは、あせって聞いた?
「いきなり、どうしたの?
雅幸さんのこと思い出したの?」
雅幸さんとは、まさのお母さんで…
がんで亡くなった。まさが、まだ幼いときに。
まさのお母さんとまさのお父さんは、とても仲が良かった…
だから、そのときのまさのお母さんは、閉じこもりになってしまったが、まさのお父さんのかわりのように、産まれてきたのが勇樹くんだった。
「雅くんは。がんで天国に行ったよね…」
まさのお母さんは、語りだした…
「神様…どうして…まーくん…まで…
私から…奪っていくの?
がんが…遺伝しやすいことは知ってるわ…
なんで…まーくんは、まだ高校生なのに。」
え?いま、まさのお母さん、なんて言ったの?
はっきり聞こえた…
……が……ん…??
まさが…がん?
どうして?そんなの…聞いてないよ…
「まーくんは…頭のいい子だから、気づいてると思う。」
[ガチャ]
トイレからまさが出てきたみたいだ。
「やっぱり…俺にはもう、時間がないんだね。」
まさ…分かってたの?
なんでまさは…言ってくれなかったの?
じゃぁ、最近…まさがこれなかったのって…
通院してたから?
どうしよう…涙が止まんないよ…
みんなに聞こえちゃう…
私は…部屋を出て、みんなが驚くのもモノともせず、大好きな場所へ走った…

