パチパチパチ――― 最後の1音まで弾ききった後に聞こえてきたのは、先生の拍手。 「良かった。 初めて合わせたって気付かんぐらい、きれかったよ」 「ありがとうございます」 「えへへへ」 今度の演奏会も楽しみやね。と、あたしは苺子にささやく。 返ってきたのはこの言葉。 「もちろん!」 あたし達は、笑いながら、バイオリン教室を後にした。