「よぉ」
と、いつも通り久流が来て、一緒に塾へと歩きだす。
「ねぇ。久流?」
「何?」
「昨日の事で、何か忘れてることあると思わない?」
「そうか?」
…本気で忘れてるの?
「…うん。
あたし、まだ久流に何も言ってないよ」
「…………………あ」
…本気で忘れてたのか。
「でね。あたしの気持ち言っても良い?」
「……うん」
「あたしね…
久流と一緒に居たい。
だから、付き合ってほしい」
あたしのほっぺたがどくどき言ってる。
久流は耳まで赤い。
「……………ぁりがとう」
しばらくたって、久流は小さく言った。
でもその後で、心配そうに言った。
「お前の姉ちゃん、大丈夫か?」
「んふふ。
だいじょーぶ。
母さんが説得したみたい」
久流もあたしも、真っ赤な顔を、見合わせて、
帰宅途中のサラリーマンの人達が顔をしかめるぐらい、大声で笑った。
何で笑ったのかは、
笑ってたあたし達にも、
分からない。


