恋みち



「あっいや……」


久流が慌てるあたしに近づいて、あたしの肩を持つ。

心臓が止まるかと思った。






「久流です、こんにちは。

大蔵のお姉さんには無理だと反対されたんですが、

俺は大蔵と付き合いたいんです。いけませんか?」



ちょっ、何恥ずかしい事母さんに言ってんのよ!


そう言いたいのに、

久流が近くに居るせいで、心臓が踊って、口に出せない。



久流の顔も真っ赤。


つられて赤くなった母さんが、さすが大人の貫禄か、にっこり笑って言った。


「良いよ。

お姉ちゃんの言った事は気にしんとって。

きっと、自分がやったことないことを、果音にやらせるのが、不安で、ちょっと悔しいねん」



その後母さんはぽつりと小さく言った。


「果音には、お姉ちゃんみたいに勉強ばっかりじゃなくて、

女の子らしいことしてほしいねん…」