「柚ちゃん、こっち」
飛悠君が手をさしだして、柚を呼ぶ。
遊園地の中も外も、ついでに新幹線の中も、
とにかくどこに行っても、人でごった返していた。
でも、ゲートの中と外じゃ空気が違う。
外は、人が多くて苦しい気もしたけど、
中は、人が多くても外程気にならない。
『ゲートを通って1歩踏み出せばもうそこは夢の国』
なんて、どっかで聞いたことあるけど、まさにそんな感じ。
「2人がいいだろうから」って言って、
飛悠君の家族の方々は、遊園地の中に入る時に別れた。
飛悠君の家族の中にいると、
「飛悠君が優しいのはこの人達のおかげだろうな」
ってとっても思う。
飛悠君の家は、
もう、ほんとに、びっくりするぐらい、優しい人達ばっかり。