朝礼のチャイムが鳴った。

苺子はやっと空いた自分の席に座る。

「おはよう」

宙条くんが突然、話しかけてきた。

「……おはよう!」

「ごめんね、朝から君の席とっちゃってて」


宙条くんはフランスと日本のハーフ。
外国人らしい顔立ちで、茶色がかった黒髪と、茶色の目。

初めて近くで正面から、見たんだけど。

やっぱ、外国人てカッコいいなぁ…


「…あの…?」

返事をしない苺子に少し困ってしまったようだ。

「―――あっ、いいよ!

全然気にしてないから~」

苺子は慌てて言った。