「飛悠君!!
あんな!聞いて!!」
クラブチームの帰り道。
今日で一緒に帰れるのは最後だ。
でも、全然寂しくない!
だって、また高校で一緒に登下校するもん!!
柚の思いつきを、飛悠君は「とてもいい」と褒めてくれた。
でも「そのかわり」と、飛悠君は続けた。
「そのかわり、柚は推薦で高校に入って来なあかんで」
「なんで?」
「うーん…
柚ちゃんにはずっと陸上を続けて欲しいねん。
推薦入学やったら、嫌が応でも陸上をしなあかんやろ?」
「うん、そうやね!」
笑顔で答えた柚に、飛悠君は驚く。
もうね。理由は何でもいい!!
柚はとにかく、飛悠君と同じ高校に入って、同じ場所に立っていたいんだ!
これが、柚の今年の目標!!