しばらく、太志さんと会話していると、もうひとり、男の人が来た。



「太志!!ごめん、やっぱ、無理っぽいわ...」



なんだか、深刻そう...



「あたし、席、外しましょうか?」



「あ、大丈夫、大丈夫。...まじか...やっぱ、親父さん、入院長引きそうか...。」



「ほんっと、わりー。つか、太志。お前いつのまに?」



「ん?は、はぁ?ちげーよ。ギターの音聞こえたから、少し見に来てただーけ。」



「ちぇ。なーんだ。」



きっと、あたしを彼女だと勘違いしたんだろう。



でも、この人...誰かな?



メンバーかな?



「あ、わりー。遅れたな。俺、TAKEのヴォーカル&ギターやってる、山崎鉄也。名前は?」




「あ、松川奈緒です。」



「てっちゃん、宮城帰んなきゃな...」



「おう、ほんと、急でごめんな。」



「しょうがねーよ。」



「代わりのヴォーカル、見つけなきゃな。」



「だな...」



この時、何故、あんなことを言ってしまったんだろう...



あんな、思い切ったこと..。