しばらくすると校長が中から出てきた。

「君、私に用があるんだろ?
入りなさい。」

「あ…はい」


校長先生が手招きをした。

「まず…君の用を聞く前に質問したい事がある。」

「ハイ…」

ギクリとする。


「今の話、聞いていたのか?」



予想通りの質問だった。

「聞いて…ました…。」

「そうか…」



俺は次に何を言われるかビクビクしていた。


でも


「聞かれてしまったのならしょうがない。私達も聞こえる
ような声で話していたんだ
からな…」


「え…」


「君が聞いた通り、
彼女は魔法使いの子だ。
彼女の父は魔法使いなんだ。」

「え…」


「この秘密はこの学校で私と君とハルちゃんしかしらないんだ。
しかもこの事は知られないようにと彼女の父から念入りに
説得させられた。」

「…そうですか……」

「気を落とす事はない。
君は黙っているだけでいい。…もちろんハルちゃんにもな。知っている事を
気付かれないようにしなさい。」



「…わかりました。」



失礼します、と言って俺は校長室を出た。